CD新譜情報2001

 

01/12/20

カメラータより、野坂惠子さんによる新作筝曲集のCD『交響譚詩 野坂惠子リサイタル』が発売されました。かねてから企画に上っていた高橋悠治さんの作品「さむしろ」「橋をわたって」や、10/20のリサイタルで初演された肥後一郎さんの新作「二十五絃筝独奏のための咒言歌」・加古隆さんの新作「水底の風」「エンプティー・トランス」等と併せて、「二十五絃筝甲乙奏合 交響譚詩」も収録されました。(発売が当初予定より2ヶ月遅れましたが、リサイタル終了後に録り直したそうです。)

同日、ブレーン社より大津シンフォニックバンドのオリジナルライブCD『シンフォニア・タプカーラ』が発売されています。大津シンフォニックバンドの全日本吹奏楽コンクール三年連続出場(金賞受賞)を記念して作られたCDで、98年全国大会の自由曲として演奏された「シンフォニア・タプカーラより第3楽章」が入っています。ソニーより発売された「日本の吹奏楽98 vol.12」に収められたものと同じ演奏ですが、和田薫氏の「吹奏楽のための交響的印象”海響”」等が入っており、楽団の演奏レベルの高さを堪能することができます。大き目のCDショップなら入手できるようですね。是非、次は「シンフォニア・タプカーラ」全楽章と「交響譚詩」等伊福部吹奏楽作品(「吉志舞」も!)をCD化してください。

 

01/12/12

今回のゴジラ映画「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」のサウンドトラックが徳間ジャパンより発売されています。大谷幸さんの音楽なのですが、ラストシーンとエンドロールに使われた伊福部先生の音楽が入っています。実際に使われた加工済みのものと、素材となった”GODZILLAテーマ怪獣大戦争マーチも収録されています。後者はOSTINATO版です。大谷さんの音楽は、映像を見ながら聴くとなかなか良い音楽と思うのですが、サントラだけを聴くと妙に薄っぺらで物足りなく思いました。ガメラ三部作ではサントラも聴き応えがあったのに、ややシンセが多く21世紀のゴジラ音楽を目指したという割には、最後に伊福部音楽を持ってきた結果、「もう何をやっても無駄だ。奴をとめることは出来ん、、」(「vsメカゴジラ」より)という状態になっています。大島ミチルの再登板や渡辺俊幸(2002年の大河ドラマ担当)、さらには伊福部テイストを濃く受け継いだ和田薫(今回は裏の「犬夜叉」担当)のゴジラを聴いてみたいですね。

 

01/1

久しぶりに海外版のCDに触れましょう。98年にカナダで発売されていた”MUSIC FROM THE MONSTER MOVIES”が ”MUSIC FROM THE MONSTER MOVIES AND SUPERHEROES TOO!”として、2001年1月に改訂再販されています。フランケンシュタインがスーパーマンになり、ローズマリーの赤ちゃんがバットマンになる等の変更はありますが、ゴジラ関係の5曲(1曲目はハリウッド版、5曲目は85年版<北米では84年版はこうなる>です)は、そのままです。2曲目が「三大怪獣」、3曲目が「対ガイガン」、4曲目が「モスラ対」のオープニングとクレジットされています。指揮Andrew Laneで、演奏はAmerican Festival Orchestraですが、耳コピーのようで、オリジナルとはかなり趣が異なります。レーベルはExcelsiorで、番号はEXL20742となっています。ジャケットは、98年のものが青を基調として怪獣が右を向いているのですが、01年のものは赤を基調として怪獣は左向きです。芸が細かい!

 

01/10/末

既報の通り、ナクソス・ジャパンが録音開始していた邦人作曲家の作品シリーズ(『日本作曲家選輯』というのがシリーズ全体の名称)の第一弾が、ついにリリースされました。(資料によって発売日がまちまちでしたが、10/31には購入できました。)前年7月に録音された『日本管弦楽名曲集』です。収録されているのは、沼尻竜典指揮・東京都交響楽団演奏による、外山雄三「管弦楽のためのラプソディ」・吉松隆「朱鷺に寄せる哀歌」・伊福部昭「日本狂詩曲」・近衛秀麿「越天樂」・小山清茂「管弦楽のための木挽歌」・芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽」です。今回の売上によって、今後のシリーズのラインアップに影響があります。一枚1000円(税抜き)程度の安価なCDですから、是非是非皆さん購入してください。かなり入荷枚数が少ないのか、見つけられなかったという声もあります。見つけたら即購入でしょう。(大手のCDショップだけでなく、NAXOSなので、HMVやタワーレコードに在る可能性は十分に高そうです。)

 

01/9/25

カメラータより、藍川由美さんによる「伊福部昭 全歌曲」の増補新版が発売されました。曲目は、従来含まれていた「ギリヤーク族の古き吟誦歌」「サハリン島先住民の三つの揺籃歌」「アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌」「シレトコ半島の漁夫の歌」「オホーツクの海」「摩周湖(ハープ版)及び(ピアノ版)」「因幡万葉の歌五首」に加えて、2000年10月の藍川由美リサイタルより「蒼鷺」及び「聖なる泉」(ライブ録音)です。価格は税込み4200円と、前回より下がっています。追加された2曲は、「蒼鷺」の更科源蔵の詩の世界と、「聖なる泉」の特撮映画の世界と、全く異なる背景なのですが、いずれも素晴らしい出来です。生で聞いていたものの、改めて感動物です。

 

01/9上旬

コンサート情報の欄でお知らせした、2000年にアルメニアで開かれたJapan-week 2000にて演奏された「ヴァイオリン協奏曲第2番」と、93年に録音された久保田巧さんのヴァイオリンによる「協奏風狂詩曲」を含むCD(2枚組)がAltus Musicよりリリースされました。オープン価格ということなで、2300円前後の値段のようです。輸入盤扱いになるので、見つけるのは容易でないかもしれませんが、大手のCDショップにはあるみたいです。「協奏風狂詩曲」はややソロとオケのバランスの悪く聞こえる部分もありますが、久保田さんのダイナミックな演奏が印象的です。詳細は、http://www.altusmusic.com/index.htm を。

 

01/7/21

「ゴジラ・ソングブック」

VAPより発売です。本来なら、ここに入るはずもないのですが、一曲目が「ゴジラ復活す」(「キングコング対ゴジラ」)と、伊福部音楽なのです。敢えて、買うこともないと思われる方も多いでしょうが、丁度10年前に出た「ゴジラ・ボーカルコレクション」にも入らなかった「ゴジラのお嫁さん」と「ロック・ロック・ゴジラ」の別バージョンが入っています。後は、「ボーカルコレクション」の方が充実しています。唯一重ならないのは、「とんでこいモスラ」ですが、これは「ベスト・オブ・モスラ」に入っています。カラオケに魅力を感じる方もいるかな。

 

01/4/25

「ゴジラ+空の大怪獣ラドン」

2月下旬にDVDソフトの発売された怪獣映画初期2作品のサウンドトラックがデジタル・リマスタリングによるクリアな音源で発売されました。特に後者は、きれいな音で聞きたいという要望が強いのではと思います。税込み1835円と押さえた価格です。私もラドンは「完全収録伊福部昭特撮映画音楽東宝編1」と「東宝怪獣映画音楽選集1」(解説を読むために買った)と持っているのですが、ついきれいな音の誘惑に負けてしまいました。しかし、あまり同じ音源を、手を変え品を変え(アンソロジーにリマスタリングに)とばかり続けていると、飽きられますよ。(東芝EMIさん、東宝ミュージックさん、解説者さん!)

 

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