CD新譜情報

 

Discography

 

(new)2006

ミッテンヴァルトによる追悼盤(日本楽派シリーズ)として、この秋発売に向け「伊福部昭ヴァイオリン協奏曲集(ピアノリダクション版)」(第1番・第2番が録音進行中)が進んでいます。演奏は佐藤久成(Vn )岡田将(pf)。

そのほかに、ミッテンヴァルトより、昔の「滝沢三枝子ピアノアルバム」をリマスタリングし、新しいジャケットにし「伊福部昭〜ピアノ組曲」のタイトルで発売予定。

 

 

(new)2006/8

ギタリスト哘崎考宏氏の第2作品集は、生前の伊福部先生がつけられたタイトル「ギタートランスクリプションズ」で、ミッテンヴァルトより発売。伊福部先生の監修を受けた哘崎によるギターへの編曲作品が中心です。曲目は、「交響譚詩」、「サンタマリア」、「ギターのためのトッカータ」、「箜篌歌」、「ファンタジア」といったところです。「ギターのためのトッカータ」と「箜篌歌」は、第1作品集にも入っているのですが、今回の演奏は伊福部先生所蔵のギターによるもの。より作者の意図がつたわってくるのでは。税込み¥3,000。

 

(new)2006/8/11

不気味社の2006年夏の作品(冬木先生を除く)は、「豪快な伝説」。伊福部作品の編曲によって、伊福部サウンドを広く知らしめた井上誠さんによる「ゴジラ伝説」を意識した作品である。何しろジャケットから、オリジナルを知っている人は楽しめること間違いなし。何しろオリジナルのジャケットを手がけた開田さんによるものです。

 

2006/5/26

「緯度ゼロ大作戦」(2枚組みサントラ完全版)東宝ミュージックより発売(通販のみ)。¥3,780(送料別) 詳細・申込は、http://www.thm-store.jp/cnts/st08-01.html より。

 

2006/4/19

若杉弘指揮・読売日響演奏による「日本狂詩曲」は、有馬礼子「交響曲第1番 沖縄」とのカップリングで、日本ウエストミンスターより発売。古い演奏なのですが、音は綺麗です。ちょっと金管のミスもありますが、良い演奏です。

 

2004〜2006

東宝ミュージックwww.toho.co.jp/music/ から通販限定(渋谷のサントラ専門店すみやでのみ店頭販売)されている、「ゴジラパーフェクトコレクション」は、過去の音源ながら、きれいな音質と充実した解説とで、必聴の価値ありです。当然、伊福部音楽は、6つに分けられている全部のBOXに絡んできます。既に、BOX1(「ゴジラ」〜「三大怪獣地球最大の決戦」)・BOX2(「怪獣大戦争」〜「オール怪獣大進撃」)・BOX3(「ゴジラ対ヘドラ」〜「メカゴジラの逆襲」)までが発売中。各10500円ですが、特典CDとして、東宝レコードから発売されたLP「ゴジラ」の復刻版が、各々付いてきます。東宝レコードのLPは、結局「ゴジラ」のみ曲を補ってCD化されたものの、「ゴジラ2」「ゴジラ3」は、初めてのCD化となります。曲順とか大変懐かしいです。何しろ、この後は、「SF交響ファンタジー」の初演や、「OSTINATO」の復刻が特典として予定されています。購入の申し込み・詳細は、上記のurlまで。

 

2004らしい

いつのまにか2003/3/2のジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラによる「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」のCDが、市販(JMOCD003/4 HMVやタワーで取扱いあり)されていました。当日の感想は、コンサート欄に書いてあるのでおくとして、改めて聞き直しても、幾つかの難点が耳につきます。まず、オケの技量が曲に着いてきていない。これは、同時収録のハチャトリアンの良い出来を見ると、練習不足と言われても仕方ないでしょう。特に、大事な管楽器系の出来が、ハチャトリアンとは大きく異なります。結果として、指揮の井上喜惟さんの意図したゆっくりしたテンポが、上手に伝わって来ない。また、ヴァイオリン・ソロとオケの調和が乏しい。これは、オケよりもむしろヴァイオリニストの問題か。何しろ久保田巧さんと組んだ「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」で名演奏を行ったアルメニア・フィルと組んで、ボロボロの「ヴァイオリン協奏曲第2番」を弾いている緒方恵だからか。技術と演奏の出来が一致しない一つの典型例か。

 

2005/11/20

カメラータより発売された「七つのヴェールの踊り 伊福部昭作品集」は、最新の筝曲「七つのヴェールの踊り〜バレエ・サロメに依る」「ヨカナーンの首級を得て、乱れるサロメ」の初録音と、「踏歌」を収録しています。短めのアルバムとなりますが、弾き込まれた「サロメ」は素晴らしいですね。

 

2005/7

関西の伊福部ギター弾き、上田英治さんと奥様のデュオ・ウエダによる「デュオ・ウエダ、伊福部昭を弾く」というCD(SAKURA SOUND SSEC 3105)が出ています。「ギターのためのトッカータ」「古代日本旋法による踏歌」の元来のギター曲が独奏で、「日本組曲」「公共譚詩」「SF交響ファンタジー第1番」「聖なる泉」は上田英治さんによる編曲の重奏です。「日本組曲」は、「ギター作品集」(ミッテンヴァルトMTWD99019)に収録されたDANROKUの六重奏版とかなり趣が異なります。

 

2005春

Cesky rozhlas radio servis(チェコ放送ラジオサービス社)から「日本組曲」と題した日本のピアノ曲を収録したCDが出ています。タイトルを飾ったのは、伊福部先生の「日本組曲」(ピアノ版)で、演奏は萱原祐子さんです。詳しくは、http://www2.odn.ne.jp/sachiko/ という奏者ご自身のHPをご覧ください。なお、CDについては、タワ−レコード等の輸入版を扱うショップでも購入できるようになっています。ちなみに、日本組曲の演奏については、確かなピッチで弾かれているのですが、演奏のテンポが速く、どうも作曲者の意図からは、外れているというイメージです。おそらく伊福部先生の評価の一番高いとされる堀陽子さんの演奏(ミッテンヴァルト「室内楽作品集」MTWD99009)では、「盆踊」が4分52秒。一方、萱原さんの演奏では、「盆踊」が3分42秒です。単純にCDの解説にある数値を加算すると4曲計で、堀版は21分10秒、萱原版は15分49秒。ここまで演奏時間が異なると、奏者によるまったく別の解釈と考えざるを得ません。

 

05/4/27

陸上自衛隊中央音楽隊の演奏による「伊福部昭 吹奏楽作品集」がキングレコードより発売。定価3000円。収録曲は、古典風軍楽「吉志舞」のほか、同隊の松木敏晃さん(実は伊福部先生の孫弟子)の編曲による「交響譚詩」・「シンフォニア・タプカーラ」と、同隊の福田滋さんの編曲による「SF交響ファンタジー第1番」。既に同隊の定期演奏会等で実際に聞くことのできた作品であるが、1月の下旬に新録されたもので、演奏環境も良い。「吉志舞」は、これまでの録音の中でも、最高に思える。「交響譚詩」・「シンフォニア・タプカーラ」は、伊福部先生の校訂も経た編曲で、これが今後の吹奏楽による決定版になろう。楽譜のレンタル等もあるようなので、今後演奏される機会がますます増えることを期待したい。

 

05/3/21

不気味社による豪快シリーズの新作は、「豪快な交響ファンタジー」と題して、「SF交響ファンタジー第1番」から「同第3番」と、交響ファンタジー「ゴジラvsキングギドラ」を収録。相変わらずの作品の出来には、伊福部音楽に対する深い愛情が感じられます。「第1番」は、前作「豪快な大戸島」に収録されており、「第2番」「第3番」もこれまでいろいろ取り組まれたモチーフの結集といった感じで、新しさは少ないが、却って安心して聞ける作品になっている。また、「ゴジラvsキングギドラ」で、かつては作品リストから消されそうになったという噂もある作品であるが、「芸術」への収録で完全に復活し、今や実質的には“第4番”の位置づけとなりつつある。特に、今回のアルバムにおいては、「ゴジラvsキングギドラ」が新鮮な体験をさせてくれるように思う。毎回の不気味社の皆さんの努力には、頭が下がります。

 

04/11/末

NAXOSの日本作曲家選輯「伊福部昭」は、ロシアフィルの演奏と、ヤブロンスキーの指揮で、「シンフォニア・タプカーラ」・「リトミカオスティナータ」・「SF交響ファンタジー第1番」を収録して発売された。演奏の出来には多くの批判もあるが、1000円で伊福部音楽の新録が買える(筆者の購入した時は870円)ことを喜びたい。値段対比で考えても片山氏の解説は、しっかりとした量で価値がある。批判も大事だが、本当に良い演奏・録音は、生の演奏会と同じくらいに難しいのかな。キングの芸術ですら、批判は多い。

 

04/11/3

「伊福部昭の芸術 8 特別編 頌」として、5月に行われた卒寿記念演奏会の全曲がCD2枚組みでリリース。「芸術」シリーズとしては、初収録の“釈迦”をはじめ、本名先生の渾身の指揮が楽しめる。今までの収録曲とダブリというより、ライブ盤の面白さを味わえよう。

 

04/8/13

不気味社による「豪快な」シリーズの新作は、「豪快な大戸島」です。収録曲は、「大戸島の神楽」・「日本組曲」・「日本狂詩曲」・「SF交響ファンタジー第1番」と、伊福部先生の卒寿記念&ゴジラ50周年に相応しい作品となっております。ジャケットには、卒寿記念コンサートの後、祝賀会会場にて撮影された伊福部先生の写真が使われています

 

04/2/1

録音の進められていた「伊福部昭ギター作品集」の発売は、文化功労者顕彰お祝いコンサートに合わせて、この日の発売となりました。今回発売の第一弾は、オリジナル・ギター曲中心です。うまく行けば、サウンドトラック等を含む第二弾の可能性もあるようです!収録曲目は、「古代日本旋法による踏歌」・「箜篌歌」・「ギターのためのトッカータ」・「胡哦」(ギター編曲版)・「日本組曲より盆踊・七夕・佞武多」(ギター六重奏編曲版)です。ギターソロは、伊福部作品を精力的に取り上げてきた哘崎考宏氏で、「日本組曲」は新堀ギター男性六重奏団DANROKUによるものです。

 

03/8以降(企画者病気のため、遅れてます)

ジネット・ヌヴー協会ジャパンの企画による『伊福部昭 青春の自画像(全3枚)が、コロムビア・東芝EMI・ビクターの3社から順次リリースされます。既にCD化されている音源も一部含まれていますが、各社の保存テープやSPからの復刻等からの収録とのことです。コロムビアからは、「ピアノ組曲」・「日本狂詩曲」・「ギリヤーク族の古き吟誦歌」・「北海道賛歌」(初のCD化!)。 東芝EMIからは、「日本組曲(七夕)」・「日本狂詩曲」・「交響譚詩」・「土俗的三連画」・「古代日本旋法による踏歌」・「ギターのためのトッカータ」等。ビクターからは、「交響譚詩」・「日本狂詩曲」・「サハリン島土蛮の三つの揺籃歌」等。なかなか楽しみです。

 

03/11/27

「伊福部昭の芸術」第6弾・第7弾は、8月末から9月上旬にかけて、都内のホールで録音されました。曲目は、「二十絃筝とオーケストラのための交響的エグログ」、「バレエ音楽《日本の太鼓》ジャコモコ・ジャンコ」、「交響ファンタジー《ゴジラVSキングギドラ》」、「交響組曲《わんぱく王子の大蛇退治》」、「フィリピンに贈る祝典序曲」です。今回のために新たに編曲された「交響組曲《わんぱく王子の大蛇退治》」は、「母のない子の子守唄」を含めて完全新録です。いわゆる地球防衛軍マーチはないのですが、なかなかの構成です。そして、本当に蘇演と言って良い「フィリピンに贈る祝典序曲」は、後に様々な映画で耳にしたようなモチーフが、てんこ盛りの傑作です。「バレエ音楽《日本の太鼓》」は、なかなかのテンポ。これで踊るのは大変でしょうが、素晴らしい演奏です。各3000円。

 

03/7/2

キングレコードより発売された「黒船以来(このかた)〜日本の吹奏楽150年の歩み」というCD2枚組の中に、待望の”古典風軍樂「吉志舞」”が東京音楽大学のウィンドアンサンブルの演奏、指揮を汐澤安彦助教授で収録されました。先年の蘇演を踏まえての録音だけに、微細なところも良く聞き分けられます。この一曲だけで¥4500(税込み)は高いと思ったら、大間違いです。様々な年代の吹奏楽曲を含み、現代作曲家の作品も数多く収録されています。日本の吹奏楽の歴史を振り返るだけでなく、日本の音楽全般を振り返る企画になっているのではないでしょうか。当然、戦前・戦中の作品(例『軍艦行進曲』)も含まれことで、進歩派(死語か?)ぶった評論家・メディアの批判も想定されます。しかし、藍川由美さんやオーケストラニッポニカの取り組み同様、過去を不必要に隠すのではなく、存在した事実を認識し受け止めるためにも、貴重な企画だと思います。

 

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