CD新譜情報2002

 

02/12/28

不気味社音楽応用解析研究所より第四弾として『豪快な怪獣総進撃』が発売されました。これまでの作品と同様に、東京ビッグサイトで行われたコミックマーケットの会場で販売されたのですが、まさに「怪獣総進撃」を髣髴とさせるオープニングのナレーションから、平成シリーズへと進んで行く様々なライトモチーフは、必聴でしょう。とらのあなやあきばお〜といった、同人誌を扱っているショップにあるようです。詳細を知りたい方は、不気味社のサイトへ。

 

02/12/4

伊福部先生の新曲を含むチェンバロ作品集のCD「チェンバロ・レボリューション」(KKCC3004)が発売されました。ショスターコビッチ等海外を含む20世紀の作曲家によるチェンバロ作品を集めたCDで、伊福部作品としては『サンタ・マリア』と『小ロマンス』の2曲が入る予定と聞いていましたが、実際に収録されたのは、次の曲です。

@ラヴェル:スピネットを弾くアンヌ(1896) Aマスネ:メヌエット(1906)Bドニゼッティ:変奏曲ト長調(1810頃) Cディーリアス:舞曲(1919) Dトーメ:リゴドン作品97(1891)  Eブゾーニ:ソナチネ第3番「子供のために」(1915)  FR.シュトラウス:カプリッチョ組曲(1944) Gタンスマン:前奏曲とフーガ(1936) H信時潔:東北民謡集より「さんさ時雨」「南部牛追唄」(1941) Iチェレプニン:組曲(1966) Jショスタコーヴィチ:オフェーリアの踊り(1963)  Kワインベルク:ヴィンニ・プーフ(熊のプーさん)(1969)  Lロドリーゴ:前奏曲とリトルネッロ(1978) M伊福部昭:サンタマリア(1978/2002) N同:小ロマンス(2002) Oジャン=ジャック・ペリー:バロック・ホーダウン【オリジナル・チェンバロ版】

Mは映画『お吟さま』で使用した曲をそのまま使用したもので、Nは2002年4月に脱稿した作品(映画・眠四郎シリーズのモチーフを元にしたもの)です。チェンバロ演奏は、有橋淑和さんで、税込み2800円です。コンサート情報にも書きましたが、2003年1月15日にこのアルバムを元にした演奏会があります。

しかし、アルバムの裏面にある伊福部先生の生年が、1913年となっているのは、如何なものか?

 

02/11/30(26夕入荷済)

池袋の知る人ぞ知るクラシック専門店ミッテンヴァルトの自主レーベルで、ついに「伊福部昭 室内楽作品集」が発売されました。日本楽派シリーズ第3弾ということで、山田耕筰・山田一雄に続く1枚となります。収録曲は、新録の「ヴァイオリン・ソナタ」、初CD化となる「絃楽オーケストラのための日本組曲」の初演、1990年の音源ながら作曲家の評価も高い演奏の「ピアノ組曲」と計3曲です。「絃楽オーケストラのための日本組曲」も「ピアノ組曲」も主旋律は同じですが,「ピアノ組曲」は国内で現役盤が存在しない状況ですからね。改めて聞いてみると、演奏会では気づかなかった、絃楽オケ版の音色の美しさに心惹かれてしまいました。却って、元々のピアノ版の強い音色が、昇華されているように思います。また、新録の「ヴァイオリン・ソナタ」は、演者兄妹の息もピッタリで、やや第一楽章こそテンポが速く感じますが、以降はとても美しい演奏で、これまでに発売されたCDの録音と比べても、音のクリアさ等々もっとも優れたものと言えるでしょう。全曲とも必聴の価値ありです。税込み3000円の価格は、充実した解説を含めて、割安に思えるほどです。

 

02/11/21

メールにて発売に気づいた方から知らされていましたが、なかなか探す暇もなく(11月から12月頭は、CD・DVDの発売ラッシュだったので、)ようやく確認しました。ヴァイオリンの野口千代光さんとパーカッションの神田佳子さん(彼女は、コンサート情報で時々出てくる長谷川友紀さんとパーカッション・トリオ「The Birds」を作っている。)によるC⇔YProjectのCD”Salt & Pepper"に、神田さん編曲による「ゴジラのテーマ」が収録されました。静かな導入部、力強いリズム感、といったところは、面白いアレンジだと思いましたが、その後ちょっと触りすぎたかなという感じで、伊福部ファンの中では反発もあるかもしれません。でも、他の曲目は、リムスキーコルサコフやバッハ、ガーシュイン、サティ、ベートーベン、リスト、ジョプリン等、幅があってアルバムとしては、楽しめます。(大島ミチルさんも、絶賛!)ビクターエンターテイメントからのリリースで、VICC-60317です。

 

02/8/22

2002年5月19日に開催された米寿記念演奏会(5/19)のライブ盤「伊福部昭 米寿記念演奏会 完全ライブ」が発売されました。収録順は、演奏順と異なり、『シンフォニア・タプカーラ』『SF交響ファンタジー第一番』(抜粋版)が1枚目で、2枚目に『伊福部先生の米寿を祝う「四つの舞」』・『土俗的三連画』『ギリヤーク族の古き吟誦歌』の順で収録されています。特に、ソプラノがオケの強さに負けそうだった『ギリヤーク族の古き吟誦歌』や、ホールの共鳴音等については、うまくCD化に際して補正されたようですが、やや『SF交響ファンタジー第一番』等で、打楽器(特に太鼓)の音が大きく響きすぎるように感じます。確かに狭い演台だった関係で、打楽器が響いたのも事実ですが。名演と評価の高いこの日の新響による『シンフォニア・タプカーラ』や、高弟の方々の個性が良く表れている『四つの舞』も必聴でしょう。また、オケ版の『ギリヤーク族の古き吟誦歌』も、情感がこもった良い演奏だと思います。

 

02/8/9

1月の項でご紹介した不気味社音楽応用解析研究所より第三弾として『豪快な怪獣大戦争』が発売されました。これまでの作品と同様に、東京ビッグサイトで行われたコミックマーケットの会場で販売されたのですが、様々な怪獣のライトモチーフが、口で奏でられるのは、必聴でしょう。CDのタイトルとなっている「怪獣大戦争」のタイトル・マーチは、ちゃんとCDの末尾に収録されていました。詳細を知りたい方は、不気味社のサイトへ。

 

02/3

最近、国内の新譜がないので、海外で発売されているCDを紹介することが多いです。ようやくゴジラ映画をやる度に、過去に見たようなありきたりのアンソロジーを出す愚行に、レコード会社も気づいたのでしょうか。ゴジラ映画・音楽ファンの新規開拓という意味では、”ないよりましと”言えなくもありませんが、実際の意味を考えると、評価の高い限定された名盤を廃盤とせず現役を継続する方が、どれだけ意味が高いことでしょうか。さて、今回も、とあるサイトで紹介されていたCDです。タイトルは、”Apparitions for Percussion”であり、米国のパーカッショニストDr. J. B. Smith氏によるソロアルバムなのです。その第三曲目が、「ラウダ・コンチェルタータ」ですが、オーケストラ部分は彼自身がマックで入力したコンピュータ音楽演奏です。ところが、電子化したことによってオーケストラに劣ると自身で認めているものの、驚くべきことに、何と氏のツアーでは、この曲が演奏されているらしいのです(ライナーノーツの記述による)。敢えて聞かねばと言うような演奏でもありませんが、熱意ある取り組みに対して評価しても良いでしょう。メーカーは、Whole>Sum Productions で、番号は CD WS01 となっています。私はamazon.comで取り寄せました。

 

02/2

”「ロームミュージックファンデーションSPレコード復刻CD集」日本の洋楽1923〜1944-杉浦雅太郎SPレコードコレクションより-”という非売品のCD集の中で、CD2に『交響譚詩』の山田一男指揮による初演奏版の演奏が収録されています。http://www.rohm.co.jp/rmf/mf_cd-j.html ビクターの懸賞に応募して入賞した当時のものです。偶々手元に置いていた『受容史ではない近現代日本の音楽史』(小宮多美江著 音楽の世界社刊)によると、日本ビクターによる管弦楽懸賞募集第二回の入賞作品であり、審査員は、清瀬保二・野村光一・橋本国彦・堀内敬三・増沢健美・諸井三郎・山田耕筰・山根銀二とある。レコードショプ等での販売はありませんが、全2000セットが公的図書館等に寄贈されているようなので、興味のある方はお近くを探してみてください。実際に聞いてみると、現在の演奏とは少し異なるのですが、60年近く前の音源の復活に涙がこぼれてきます。

 

02/2

とあるサイトで紹介されていた滝沢三枝子さんのピアノ曲集に「ピアノ組曲」が収録されていました。録音が1992年7月5日の板橋アークホールとのことです。発売元は、Vienna Modern Masters でタイトルは、”MIEKO TAKIZAWA, piano”となっています。CD番号は、VMM2031です。私はアメリカの販売会社からネット通販で取り寄せましたが、HMV等で取り寄せを頼む他、日本でも販売されている可能性がないこともないようです。CDを紹介しているURLは、http://www.xs4all.nl/~gdv/vmm/78.html で、このページから購入方法を紹介するページに行けます。ちなみに、私の場合注文してから、1週間かからずに届きました。

 

02/1

新年早々WindowsXP導入時に過去のメールを消失してしまった私にとって、何よりのお年玉となりました。最初に飛び込んできたメールが『ゴジラ伝説』の編曲者である井上誠さんからのメールでした。コミケで発売されていた自主制作CD『豪快な呉爾羅豪快な地球防衛軍』をご紹介いただきました。早速、メールにあった連絡先のHPから申し込んで、私も入手して聞いてみました。ディープな伊福部ファンでも賛否両論分かれるかもしれませんが、井上さんがメールに書いていらっしゃったように「かつて『ゴジラ伝説』を楽しんでくれた方々に本気で推薦します。責任は持てないけど(笑)」という言葉の通りでした。入手以来ずっと聞き続け病みつきになっているというほど井上さんも絶賛ですし、私も何度も聞いています。個人的には2作目の『豪快な地球防衛軍』のマーチ・アレンジが気に入りましたが、1作目の『豪快な呉爾羅』で取り上げられた歌曲群もなかなかのものです。アレンジCDという扱いになりますが、秘密結社不気味社の音楽応用解析研究所は決して侮れませんぞ。申し込みは、不気味社のサイトまで、各3000円で送料が500円かかります。アルバムの詳細につきましては、直接不気味社にお問い合わせください。もしくは、私までお問い合わせいただければ、内容・感想等個人的にお教えいたします。(このHPで紹介することにつきましては、不気味社の担当者様から了解済みです。)

 

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