コンサート情報99

 

 

99/12/5神奈川県立音楽堂にて「サハリン島住民の三つの揺籃歌」を演奏

響きのルネサンスU「音律の太平洋〜Tuning in Pacifika」という企画の演奏会にて、「サハリン島住民の三つの揺籃歌」が演奏されました。野々下由香里さんのメゾソプラノのようです。(なぜか、ギリヤークの続いた後は、サハリンの連続です。)一曲だけなので、行きませんでした。

 

99/11/21台東区浅草橋区民会館にて「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」を演奏

14:00開始の「アデカ富士通ジョイントコンサート」の中で、中野恵さんが昨年に引き続き、同曲の第ニ・三楽章を演奏。昨年、伊福部先生に直にレッスンを受けたということです。今年も都合が付きませんでした。

 

99/11/14サンシティ越谷にてロンド・イン・ブーレスクを演奏

11/14の14:30よりサンシティ越谷大ホールにて開かれる獨協大学管絃楽団の定期演奏会にて、「ロンド・イン・ブーレスク」を演奏。

 

99/11/13津田ホールにて野坂惠子さんリサイタル

伊福部先生の新作筝曲「琵琶行」が演奏されました。「胡哦」以来の新作筝曲で、踏歌・箜篌歌・胡哦と最近の筝曲が勢ぞろいでした。「胡哦」は”聖なる泉”の旋律だったのですが、この”白居易ノ興ニ效フ”と副題の付けられた作品も、「海底軍艦」中の”ムウ帝国の祈り”と「vsメカゴジラ」の”M22エスパーコーラス”の旋律が使われています。純粋音楽作品に対してこういう聞き方をするのは、邪道だと思うのですが、少しでも多くの人に伊福部音楽を聞いてもらうためには、こういう紹介の仕方もありかなと思います。(でも、「ゴジラ伝説」を聞き込んだ方は、琵琶行の演奏を聞きながら”神聖ムウ帝国亡国歌”の歌詞を、口ずさんでしまうのでは? 確かに、胡哦を聞きながら”聖なる泉”の歌詞を口ずさむ事があるけど、こちらの作詞は伊福部先生だからいいけど。)

当日の演奏は、胡哦で出だしのテンポと比べて、後半になると随分テンポが速くなったことや、ミスタッチも幾つか有ったのですが、CDのきちんとした演奏に比べて、野坂さんの熱意がこもる迫真の演奏だったかと思います。アンコールで琵琶行の第三部をもう一度演奏してくれたのは、感涙ものでした。やはり、生演奏の雰囲気に勝るものはありません。踏歌・箜篌歌というギター曲の編曲版は、かえって特撮モチーフが使われていない分、じっくりと演奏を楽しめました。

 

99/11/6名古屋のしらかわホールにて「サハリン島先住民の三つの揺籃歌」を演奏

「音楽の友」によると、18:30より新実真琴さんのリサイタルで「サハリン島先住民の三つの揺籃歌」が演奏されました。バリトンでの演奏は珍しいかもしれません。ちなみにCDでは、ビクターのVICC-60043で平野忠彦さんが歌ったものが出ています。

 

99/11/3サントリーホールにて「アジアの鼓動」演奏会

新星日本交響楽団の演奏、高関健の指揮で上記コンサート(14:00開演)が催されました。その中で、日本の作曲家として唯一人伊福部先生が取り上げられ、「オーケストラとマリンバのためのラウダ・コンチェルタータ」が演奏されました。しかも、マリンバは安倍圭子さんですから、オケと共に初演と同じ顔ぶれだったわけです。私は残念ながら、都合がつきませんでしたが、大変よい演奏だったようです。安倍さんの演奏に若干厳しい批評もあったようですが、確かに「ラウダ・コンチェルタータ」のマリンバ奏者として、安倍圭子の次に誰というのが、見当たらないのは寂しいですね。

 

99/11/2ティアラこうとう小ホールにてギリヤーク族の古き吟誦歌を演奏

翌日の前夜祭(18:30開演)ということなのでしょうか。アジア各国の作曲家の室内楽を集めた演奏会が行われます。演奏は、アンサンブル東風(こち)です。取り上げられる作曲家は、他に松下功、尹伊桑、林楽培、ホセ・マセダ、小坂咲子、周文中です。平日なので、行けませんでした。

 

99/10/4埼玉会館にて”ファンンタスティック・シネマ・ナイト・オーケストラ”

東京シティ・フィルの演奏・榊原栄氏の指揮によって、「SF交響ファンタジー第1番」が演奏されます。他は、スタートレックやスターウォーズ、インディージョーンズ、タイタニック等々の映画音楽のようです。しかし、併せて「ツァラツゥストラはかく語りき」が演目の中に入っているということは、企画した人が伊福部音楽を全く理解していないということに他なりません。「音楽入門」(改訂版)の48頁をご覧頂けると、その意味がわかると思います。この個所を知っていてこの企画を立てたのなら、伊福部先生に対する冒涜ではないでしょうか。

 

99/9/21横浜みなとみらい小ホールにてギターのためのトッカータを演奏

ギター奏者の哘崎考宏さんが、”ギタリスタス日本'99"の中で、「ギターのためのトッカータ」を演奏されました。(ご本人からの情報です。)開演は19:00です。平日でなければ、聞きに行けたのですが。

 

99/9/18すみだトリフォニー小ホールにて中垣雅葉二十絃箏コンサートVol.3〜箏思箏愛〜

日本音楽集団メンバーの方のリサイタルです。若い5人の作曲家(堀井智則・森亜紀・壷井一歩・吉川清之・青木渉)の筝曲と、トリを勤めるのが伊福部先生の「物云舞」です。開演は、18:30。冒頭の堀井氏の二十絃箏曲「譚楽」 は、特に伊福部先生に教えを受けた彼らしく、土俗的な部分と繊細な旋律とが混合した良い作品でした。また、「物云舞」については、解説を書かれた仲森氏が男性初の演奏ではないか、と書かれていましたが、聞きなれた野坂さんの演奏より、更に力強く新鮮な解釈が面白い演奏でした。なぜか、9/14のカザルスホールより、知人が多かったのも不思議な気がしました。

 

99/9/15長野県県民文化会館にて交響譚詩を演奏

流石にこの曲のためだけに行くのは辛い。それでなくとも、今月は一体幾つ伊福部作品の演奏会があることやら。

 

99/9/14カザルスホールにて「魅惑の声シリーズ」第3夜

魅惑の声シリーズの第3夜は「アジアの風〜昭和初期の日本音楽界('29〜'46)」と題して、藍川由美さんのソプラノ、斎藤京子さんのピアノで金井喜久子・江文也・早坂文雄・橋本國彦らの曲と共に、伊福部先生の「ギリヤーク族の古き吟誦歌」「ピアノ組曲」が演奏されました。「ギリヤーク族の古き吟誦歌」は、ほぼ1年前にも藍川さんが歌っていらっしゃいましたが、安定した歌唱力で堪能させてくれました。カザルスホール全体にソプラノが響き渡っていました。また、斎藤京子さんの「ピアノ組曲」は、1年半前に聞いた遠藤郁子さんの妖艶な情感のこもった演奏とはまた違って、力強くこの難曲を見事に弾ききっていらっしゃいました。会場には先生も来られていましたが特に紹介とかもなかったので、知らない人は今演奏された66年前の曲の作者が会場にいるなんて、想像もできなかったでしょうね。

 

99/9/3〜5オーチャードホールにて「盆踊り」を演奏

終了してからパンフレットを確認(知人より入手)して気付きました。オーチャードホールの10周年ガラ・コンサートにて、”管弦楽のための日本組曲”より「盆踊り」が演奏されました。事前にチラシとかを見ても載ってなかったので、聞いた時には耳を疑いました。パンフレットによると、「そして第1部の最後は、東京フィルと新日本フィルがそれぞれの個性をアピールしようと、同じ曲を分けて演奏する試み!2つのオーケストラの響きが、協奏するのか、競争するのか…。あの「ゴジラ」の映画音楽で知られる作曲家・伊福部昭の「盆踊り」(日本組曲より)は、日本民族の土着的パワーが爆発する曲です。10周年のお祭り気分をさらに盛り上げ、第1部を締めくくりましょう。」とのことです。ガラ・コンサート全体を見ると、第1部”クラシック”では、ワ−グナ−・プッチ−ニ・モーツァルト・ベートーベン等と並んで伊福部昭が取り上げられており、第2部”ポップス”は東儀秀樹の篳篥や須川展也のサックスとジャズ・ナンバー、第3部”バレエ”が熊川哲也の「ボレロ」だったわけで、如何に重い取扱だったかが分かると思います。情報が事前に入らなかったのがとても残念です。ただしS席が24,000円でしたから、知っていても行ったかどうか。

 

99/7/11・12東京芸術劇場等にて東京音楽大学シンフォニック・ウィンド演奏会

7/11(日)14:00から千葉県文化会館にて及び7/12(月)18:30から東京芸術劇場にて東京音楽大学のシンフォニック・ウィンドの演奏会がありました。その中で、伊福部先生の「ラウダ・コンチェルタータ」が演奏されました。

実際に、11日の演奏会に行ってきました。演目の中にコンクールの課題曲があるということで、中高校生の姿が多かったです。「ラウダ・コンチェルタータ」の演奏は、原曲のイメージを崩すことなく、また、吹奏楽版としてもよい出来のようでした。ただ、マリンバのソリスト村瀬さんの演奏で最低音部が響いてなかったのが、物足りませんでした。楽器の調整がうまく行ってないという感じでしたが。

 

99/4/18国立劇場小劇場にて松の実會演奏会

野坂惠子さんが主催される松の実會の演奏会です。二部構成となっており、第一部は発表会で、伊福部先生の曲は18:00からの第二部で演奏されました。演奏曲目中伊福部作品は、「筝五部合奏による日本組曲」(初演)「因幡万葉の歌五首」でした。前者はあの日本組曲を田中修一さんが筝五部合奏向けに編曲されたもので、これまでピアノ版・オケ版・二面の二十五絃筝版・弦楽版と聞いてきた私も、筝五部全体で18面の演奏には圧倒されました。イメージ的には、二面の二十五絃筝版に近いのですが、音の厚みはむしろ弦楽版でしょうか。でも、個人的にはもの足りなさが残りました。これは、二面の二十五絃版と比べてなのでしょうが、五部合奏にしたため奏者の個性が埋没しているような気がしてなりません。かつて生で聞いた二面の二十五絃筝版は、この曲を二十五絃で奏したいがために低音二十五絃筝を開発された、野坂さんの鬼気迫る迫力が感じられました。18面の筝では、その個性が感じられなく、ちょっぴり残念でした。その物足りなさを埋めてくれたのが、「因幡万葉の歌五首」でした。中川昌巳さんのアルト・フルートと藍川由美さんのソプラノは、直前まで道成寺や越後獅子をやっていた会場の雰囲気を一変させるほどの出来映えでした。当然野坂さんはお一人で二十五絃筝ですから、たっぷりと熱演を堪能できました。いやいや藍川さんのソプラノにはいつも圧倒されます。尺八の後がアルト・フルートというのも、なかなかに乙なものです。

 

99/4月〜5月新交響楽団が「タプカーラ」を東京及び九州巡演

4/17 18:30 東京芸術劇場、5/3 17:30 熊本県立劇場・5/4 17:30 九州厚生年金会館と新交響楽団が「シンフォニア・タプカーラ」をもって巡演です。同日に演奏されるのは、チャイコフスキーの祝典序曲「1812年」とプロコフィエフの舞踊音楽「ロメオとジュリエット」よりです。指揮は、井崎正浩さん。なお、5/2 15:00より福岡アクロス・シンフォニーホールにて、福岡市民オーケストラと新交響楽団のジョイントコンサートがあり、演奏曲目はプロコフィエフのかわりにベルリオーズの「幻想交響曲」とのことです。従って、北九州の伊福部ファンは、5/2・3・4と三日続けて、タプカーラが聞ける!

4/17の「シンフォニア・タプカーラ」は、素晴らしい演奏でした。15ヶ月前に7千円も払わされた日本フィルの演奏と比べると、テンポもよく大変楽しめました。勿論、アマチュアのオケですから、技巧的にプロと比べてどうのこうのと言っても仕方ないでしょう。少しピッコロとかの付きぬける高音が弱かったのが寂しかった以外は、大満足です。

 

99/3/14びわ湖ホールにて「シンフォニア・タプカーラ(吹奏楽版)」を演奏

大津シンフォニックバンドにて編曲された同曲の吹奏楽版が全曲完成・演奏されます。98/10/18には既に第三楽章のみが演奏されているとのことです。編曲にあたっては、伊福部先生の了承済みとのことです。日本組曲に続いて、タプカーラも新しい命を手にしようとしているのですね。私は行けなかったのですが、なかなかよい演奏だったようですね。是非、行かれた方は感想を聞かせてください。

 

99/1/12福岡あいれふホールにて「聞きたかったら博多にきんしゃい!vol.1」

野坂惠子さんと深海さとみさんのジョイントリサイタルで、伊福部先生の「胡哦」が演奏されます。19:00開演で全席自由で\3,500円とのことです。流石に私も平日の夕方の福岡には、よう行けません。

 

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